82歳の梅おばあちゃんが伝える、梅仕事と料理と暮らしの知恵。
82歳でもなお元気。
朝から晩まで働く梅おばあちゃんこと、乗松祥子さん。
梅に寄り添い、ささやかな発見を慈しみながら、心豊かな日々を送っています。
本書では、乗松さんの春夏秋冬の梅仕事を追いながら、
毎日の食事から、梅の健康効果、幻と言われた杉田梅のこと、
好奇心の持ち方、大切にしていること、
白洲正子さん、樹木希林さんらとの交流などについて綴っています。
秘伝の梅干し、梅肉エキス、梅酒、梅ジュース、梅ジャムの作り方をはじめ、
梅酢を使った料理レシピも掲載しています。
家族ぐるみで付き合いのあった文筆家・内田也哉子さんとの対談も収録。
梅仕事に興味がある方はもちろん、日々の暮らしを大切にしたい方、
これからの人生のヒントがほしい方にもおすすめの一冊です。
「乗松さんは優しいオーラを持っているけれども、
ピシーっと1本譲れない、こう凛とした佇まいをお持ちで、
それが怖くもあり、神々しくもあり、憧れでもあり。
乗松さんのような存在とものの考え方は、
きちんと次世代の人に伝えていきたい」
──内田也哉子(文筆家)
【目次】
【第1章】私の梅養生
やりたいことを追い続ける/毎日の食事のこと/私の養生食
私の養生食~身体と心を整える毎日の食事
(レシピ)小松菜とホタテの梅酢煮びたし/小いわしの梅酢山椒煮
梅くずがゆ/梅干し番茶
【第2章】春のこと
収穫の季節/私の梅養生
人生を決めた三つの出合い/失敗続きの梅干し作り
幻の杉田梅/穂坂梅林とのご縁
梅酢を使った「ハレ」の日の食事~春のちらし寿司はお花見の思い出
(レシピ)お花見ちらし寿司/せりとうどの小鉢
はまぐりのお吸い物/いちごと青梅のコンポートと梅ゼリー
【第3章】夏のこと
梅仕事の始まり/梅の命はクエン酸
秘伝の梅干し作り/健康のお守り、梅肉エキスの力
梅肉エキスの作り方/初心者でもできる梅酒作り
ロックフェスで人気の梅ジュース/梅酢さえあれば/梅酢を使った夏バテ対策料理
梅酢を使った夏バテ対策料理~繁忙期は作り置きで乗り切る
(レシピ)なすの鮮やか炒めと鶏もも肉のソテー/トマトのマリネサラダ
さっぱりピクルス/かぼちゃの冷製スープ/しそご飯
【第4章】秋のこと
秋の梅養生/故郷での暮らし
「辻留」時代のこと/中川幸夫先生のこと
新しい人生の始まり/女将と梅仕事の二足の草鞋
心を豊かにする本・音楽・映画
梅酢を使った秋の滋味御膳~夏の疲れを癒やす贅沢な味わい
(レシピ)落ちあゆの煮びたし梅仕立て/里芋とれんこんのごまみそあえ
豆腐とホタテ、菊の花のくず仕立て/柿とかぶ、枝豆の梅酢あえ
むかごとぎんなんのご飯
【第5章】冬のこと
福を呼ぶピンクの梅塩作り/60〜70代は人生の黄金期
おせちと音楽フェスで師走は戦い/「杉田梅を守り育てる会」のこと
学びと探究心/冬の思い出/忘れられない海外の梅物語
梅ジャムの作り方/梅の神様
梅酢を使ったおもてなし料理~海の幸と山の幸を盛り込んだ祝い膳
(レシピ)伊勢えびと冬瓜の水晶煮/ゆり根と黒豆の梅肉あえ
牛塊肉と鶏手羽先肉の梅酢ソテー/蒸しあわび/天神様のおこわ
【第6章】内田也哉子さんを迎えて
おいしい梅おむすびの作り方
【著者・ゲストプロフィール】
乗松 祥子(のりまつ・さちこ)
1940(昭和15)年愛媛県生まれ。茶懐石料理店「辻留」銀座店に20余年勤務したのち、鎌倉・小町通りの日本料理店「味路喜」の責任者を務める。その後、代官山ヒルサイドテラスに日本料理店「延楽」を開店。現在は杉田梅専門店「延楽梅花堂」を経営。「辻留」時代に100余年前の梅干しを譲り受けたことがきっかけで、梅仕事を始める。「幻の梅」といわれる野梅系の杉田梅に出合い、梅に一生を捧げることを誓う。現在まで50年以上に渡って梅仕事を続けている。杉田梅を未来につなげるために、梅の木の保全や植樹を行っている。著書に『梅暦、梅料理』(文化出版局)、『宿福の梅ばなし』(草思社)、『百年の梅仕事』(筑摩書房)。
内田 也哉子(うちだ・ややこ)
1976年東京都生まれ。樹木希林と内田裕也の一人娘として生まれる。夫は俳優の本木雅弘。三児の母。エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか、音楽ユニット〝sigh boat〞としても活動。著書に『新装版 ペーパームービー』(朝日出版社)、『9月1日 母からのバトン』(樹木希林との共著、ポプラ社)、『なんで家族を続けるの?』(中野信子との共著、文春新書)、翻訳書に『たいせつなこと』(フレーベル館)、『点 きみとぼくはここにいる』(講談社)、『うみ』(岩波書店)など。
【書籍概要】
書 名:梅おばあちゃんの贈りもの
著 者:乗松 祥子
仕 様:A5判、192ページ
定 価:2,420円(税込)
発売日:2023年5月12日(金)
ISBN:978-4-416-52337-7